(2) 昭和36年度の米作日本一小池政之氏の技術解剖(概要)<営-027>
【出典】 現代農業編集部著:「米作日本一 技術解剖」、現代農業 1962(昭和37)年3月号。
【要旨】 1)七石どりのための基礎条件 A、深い耕土(30cm)が必要======大型トラクター利用。 B、深い耕土へ必要な肥料を入れる===畑地を客土と、燐酸の多施用。
2)七石どりのための苗つくり A、ビニールトンネル資材の利用===透明ビニールと着色ポリエチレンの2種類を使用することにより最高最低温度に至る時間がかかるため、温度変化が緩やかになる。 B、間引き============薄播きの上で2回の間引を行い、分けつの多いそろった苗をつくる。 C、田植え前にグリンナー散布===散布処理した苗は、田植70時間後に94%の活着率、107~110時間後には完全に活着する。しかも、水を落として田植しても根づきに影響しないので浅植できる。
3)七石どりのためのイネつくり A 、穂数の早期確保========必要な穂数の大部分を苗代で確保し、本田で分けつさせない為に密植。 B、水管理で育てる========とくに幼穂を保護し、粒数の多い大きな穂を育て、とくに根を深くのばすこと。
(1) 昭和36年度の農業日本一小池政之氏の技術解剖(概要)<稲-005>
【出典】 長野県諏訪郡富士見町刊:「昭和36年農業日本一 技術解剖」、1962(昭和37)年4月。
【要旨】 5月24日午後、植え痛み防止および活着促進の為、グリンナーを噴霧器により散布。 5月24日午後、植え痛みを防ぐ為グリンナーを、噴霧器により散布。この時、草丈 26.3cm、茎数 3.4本、葉数 6.0~ 6.5葉、生体重 14.2~14.5g、風乾重 3.0~3.2g。 6月30日(出穂30日前)、草丈 69.0cm、茎数 15.7本。 8月20日(出穂20日後)、稈長 84.5cm、穂長 18.2cm、株当り穂数 12.9本。 10月1日(成熟期)。この時、最高稈長 92.8cm、 平均1穂粒数(稔実) 95.4粒、 平均1穂重 2.37g、稔実歩合 92.2%、 玄米1000粒重 23.8g、坪当穂数 1500.8本、反当収量 6石5斗1合(975.08kg)、1株粒数(稔実) 1221粒、坪当粒数(稔実) 143162粒、 屑米% 1.96%。
・出品田は、標高1,050mから1,200mに位置する高冷地帯であり、初霜が平年10月11日、晩霜が平年5月13日で無霜期間は151日間である。初雪11月28日晩雪が4月2日で降雪日数は18日間。また冬期凍結の深度は20cmで、冬期間の平均気温は一5℃、極値はー20℃になることもある。
・当地米は昔から反当2石前後の4等、5等、等外等が中心で、「立沢米」と謂われて世間並には取扱われなかった。
・小池政之さんは、復員後農業に専念し、一心不乱に研究と努力をなされた結果、稔実歩合 92.2%、反当収量 6石5斗1合(975.08kg)、の成果を挙げたのは、思うに当然と評するより外ありません。