グリンナー皮膜の構造とその働き
◆被膜の形成
水道水等で希釈したものを、葉の表裏面および茎の全面に直接噴霧すると、
1~2時間程度で極薄・透明な被膜が形成されます。
◆被膜を構成する粒子の大きさ
(レーザー解析装置による粒度分布)
測定結果(左図)は、被膜を構成する粒子の大きさが、極めて微細な0.05~0.002マイクロメートルであることを示しています。(マイクロメートル=μm=千分の一ミリメートル)
◆被膜を構成する粒子の配列
(葉上にできた被膜粒子の配置図)
上図は、希釈するために混和した水が乾いて無くなった後、粒子が互いに固着して出来た被膜の粒子を示した想像図(最新の電子顕微鏡でも撮影不可能)。球の直径は最大0.05μm、最小0.002μmで、図の横幅は気孔の幅に相当する約3μm。粒子の間隙(図の緑色部)の面積は計算上、全体の25%程度であることから、残る75%程度が粒子で覆われた部分です。
※25%程度の間隙がありますから、植物の呼吸が阻害される事は全くありません!
未処理に比べて最大75%程度、蒸散が抑制されます!
◆葉面の気孔の構造
(気孔とその周辺(模式図))
気孔の長辺は植物の種類により様々ですが、短辺(幅)はほぼ3μmで一定しています。被膜粒子が開孔部よりもはるかに微細であることを示しています。
※撒布直後の液は水滴状態ですから、気孔開口部から中へ入ることはありません!
◆被膜による蒸散抑制パターン
(グリンナー処理による蒸散量の変化(概念図))
標準的には撒布後3日間は、気孔、クチクラ層双方からの蒸散を抑制するが、
植物体内の水分の膨圧が限界に達すると、その後急激に気孔からの蒸散が活発化します。
しかし、クチクラ層からの蒸散は、引き続き抑制されます。